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2007年4月某日、タカユキカトーは「タカユキカトー」という名で活動しており、ヒロヒサカトーが「タカユキカトー」に加入した。
「タカユキカトー」は5月20日に、半年ぶりでありヒロヒサカトー加入後初めてでもあるライブを控え、やる気に満ちあふれていた。
5月20日のセットリストには「雨のプール」が含まれていて、この曲をライブでやるためにはなるべく必要だった。
コンパクトタイプのピッチシフターが。
コンパクトタイプのピッチシフターというとBOSSのものが真っ先に思い浮かぶが、当時最新であった(2009年1月現在もだ)PS-5を渋谷の楽器屋で試してみると、すぐに二人は首をうなだれてしまう。
「これでは雨のプールの音世界を構築しきれない・・・」
見事なまでに音ずれを克服した最新のピッチシフター、PS-5で雨のプールのイントロを弾くと、原曲(『ガールフレンド・イン・エステシティ』収録)のような微妙なずれによるチープであり、だからこそ微笑ましいあのふいんきが再現できないというのが二人の共通見解だった。
確かに違うことは違う、しかし曲が成り立たないということは全くないという程度の違いであったが、二人のこだわりや美意識は、そのような些細なことでさえ許せないほどのものだったのだ。
そう、あのサウンドを再現するには、もっと古いタイプ、HR-2(ハーモニスト)が必要だったことに気がついたのだ。
仕方なくPS-5を買うことはやめ、二人は別の日に御茶ノ水に向かった。
御茶ノ水なら日比谷線で行った方が楽だよ、というタカユキカトーの発言により、二人は中目黒から日比谷線に乗る。
しかし、銀座で乗り換えるのを忘れていたことに秋葉原で気づき、秋葉原で途中下車をした。
とりあえず秋葉原の楽器屋に寄ろうとイケベ楽器に行くと、なんと求めていたHR-2が中古で置いてあったのだ。
HR-2は当時すでに生産が終了しており、はじめに入った店で、しかも目当ての御茶ノ水ではなく秋葉原で見つけたことに二人は興奮していた。
しばらく試奏をし、黙ってうなずくヒロヒサカトー。
そして一緒に試奏したオーバードライブのエフェクターのサウンドもバッチリだった。
ヒロヒサカトーはそのオーバードライブを買い、タカユキカトーはHR-2を買った。
運命の出会いというのは急にいくつもやってくることがある。
買い物を終えて、店内を冷やかしながら帰ろうとしていると、非常に魅力的なルックスの、目に付くギターがある。
あのJayroの水色のギターが、生産終了で29800円(税込み)で売られていたのだ。
少し迷って試奏すると、意外なほどきれいな音だ。
何か昔を思い出すような、思わず心がモワっとする音が、アンプ―フェンダー・ホットロッドデヴィル―から流れるように出ていった。
二人は心打たれながらも、3万円もの買い物をそう簡単にするわけにはいかないと、一度外に出てファミリーレストランに入った。
でも食事をしても何を話しても、考えることはひとつ・・・
気づけばタカユキカトーは楽器屋に戻って、クレジットカードを出していた。
帰りヒロヒサカトーはしきりに「陶器製の便器のようにつやがあるね。タカユキに似合うよ。」と言った。
P.S.
あの頃の自分よ、元気かい。
なんて、元気だって知っているんだけどね。
僕はまだミュージシャンとして食っていけていないけれど、
君があのギターで作った曲が入ったCDが、
下北沢のディスクユニオンで発売してすぐ委託販売チャートの4位になったんだ。
その次の月は3位だったんだ。
それからその次の月も3位だったんだ。
絶対にいいCDだと断言できるよ。
もしこの手紙を読んでくれたのなら、takayukikato@izutzrecord.comに
"LoveLoveLoveLove"を注文する旨を書いてメールしてくれないか。
そうすれば、また夢に近づける。
(お手数ですがお名前とご住所を忘れずお書きください。)

■収録曲
●2008年10月9日発売 / 500円
●ディスクユニオン(*1)でも販売中。
お問い合わせ・ご注文はtakayukikato@izutzrecord.comまで。